大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)320 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士渡部信男の上告理由第一点について。

原判決挙示の証拠によれば、訴外DことEは控訴人(被告、被上告人)の承諾を

得ないまま、その委託の限度を越えて勝手に被控訴人(原告、上告人)と建物の明

渡を条件とする原判示売買契約を締結するにいたつた旨の原判示事実認定を肯認す

ることができる。されば、原判決には所論の違法を認めることはできない。

同第二点について。

原判決の認定した事実関係の下においては、原判決が被控訴人に過失のそしりあ

ることを免れず、訴外Dの越権行為に対しその権限ありと信ずるに足りる正当な事

由あるものとは解されない旨判示したのは正当である。そして、所論引用の判例は

本件に適切でない。それ故、所論は採るを得ない。

同第三点について。

所論は、結局原審が適法になした証拠の取捨、判断ないし事実認定を非難するに

帰し、上告適法の理由と認め難い(なお、所論引用の判例は本件に適切でない。)。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 真 野 毅

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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